だが、優しい手のひらが私の手をそっと包み込み、はっとして悠雅を見上げると、彼がすぐ側で私を見ていた。


「言いたくないなら言わなくていい。あんたは昔から、優しすぎるんだよ」


……優しすぎる?


菜々に言われたことを思い出して、私は首を横に振った。


「違うよ……優しくなんかない。私は、優しい自分に酔ってただけなの……最低な人間なの」


言いながら、目に涙が滲んでいくのを感じて下を向いた。


「……俺は人に優しくするとかそういうの苦手だから、あんたのそういうとこはすげぇと思うけどな」


悠雅の声が、私の耳に優しく響く。
私は思わず顔を上げて悠雅を見た。