すると、黙って私の様子を見ていた悠雅が、ふいに口を開いた。


「なんかあった?」


ドキリと心臓が激しく音を立てる。


私はカップを持ったままどう答えるべきか必死に考えを巡らせた。
ここで間違えたら、また菜々みたいに傷つけてしまうかもしれない。
せっかくこうして再会できたのに、それだけは絶対に嫌だった。


「……あ……えっと……」


何か言わなければと口を開くが、言葉に詰まって上手く言えない。
悠雅はそんな私をじっと見つめ、やがてふう、と息を吐き出した。


……呆れられた。


そう思った私は、目の前が真っ暗になっていくのを感じて、カップを持つ手が震えた。