クールな野良猫男子には逆らえない。

私の通う高校ではこの間入学式があったばかりで、2年に進級した私は新入生の中に懐かしい姿を見つけて、思わず1年の教室まで行って彼の姿を探した。


でも、やっと見つけた彼は派手な見た目の女子に囲まれていて、私を視界に捉えるとこちらに歩いて来て、こう言った。


「もう赤の他人だから、気安く会いにこないで」


私が知っているものよりもずっと低く、冷たい声だった。




「……か、柚華?聞いてんの?」


物思いにふけっていた私は、親友の声にはっと我に返った。


「何?菜々(なな)


何事も無かったかのように笑顔を作り、私が1年の時からの親友ーー藤川(ふじかわ)菜々(なな)に向き直る。


菜々は童顔でぱっちり二重、明るい色の髪を緩く巻いた美少女だ。


だが、その顔はいつもと違って曇っている。