クールな野良猫男子には逆らえない。

その日もいつものように電気を消して、布団の中に潜り込んだのだが、突然玄関のインターホンが鳴り響き、私は起き上がって玄関へと走った。


ドアスコープで外を確認してから、ドアを開く。


「……悠雅」


私は悠雅の顔を見て、なぜか泣きそうになった。
彼の持つ懐かしさを感じさせる雰囲気が、私を安心させるのかもしれない。


本当はずっと期待していた。
また悠雅が来てくれるんじゃないかって。


「どうぞ、上がって」


私が道を開けると、悠雅は何も言わず中に入った。


悠雅はこんな時間だというのにやはり制服姿で、だが今回はスクールバッグと謎の紙袋を持っており、家には帰っていないのかと心配になった。