「ごちそうさまでした」
一人の夕食を終えて、私はテーブルの上のお皿を片付け始めた。
お母さんが出張でいないので、スーパーで適当に買ってきたお惣菜をお皿に盛り付けただけの食事だ。
お母さんがいる時は気合いを入れて料理をするけど、一人の時はやる気が起きず、いつもこんな感じで済ませている。
洗い物をしながら、ふと悠雅のことを考える。
あれから悠雅がこの部屋を訪れることはなく、結局なぜあの日彼がここに来たのかは謎のままだった。
学校で悠雅に会いに行こうとも思ったが、また拒絶されたらと思うと怖くて行けなかった。
菜々の一件以来、私はすっかり臆病になってしまっていた。
洗い物を終えてお風呂に入り、学校の課題を済ませてからベッドに横になる。
何も考えたくなくて、最近はやることを済ませたらさっさと寝るようにしている。

