クールな野良猫男子には逆らえない。

一人残された私は呆然とし、俯いて自分の足元をぼんやりと眺めた。


私が今までやってきたことは、全部ただの自己満足だったのだろうか。
知らないうちに、私の行為がずっと菜々を傷つけていたのだろうか。


でも、私はこれ以外の生き方なんて知らない。
「優等生」を演じずにありのままの自分をさらけ出すなんて、怖くてできない。


そもそも、ありのままの自分というものが何なのかさえわからないのだ。


「……どうすればいいの?」


私は答えを見つけられず、いつまでも足元を見つめていた。