クールな野良猫男子には逆らえない。

「……あの、お母さん?なんか変わったこととかなかった?」


今はそれよりも気になることがある。
悠雅のことだ。


「え?そういえば、なんであんたソファで寝てたの?わざわざ毛布まで出して」


お母さんは不思議そうな顔で私とソファを交互に見る。


……どうやら、悠雅はお母さんに見つかる前に帰ったらしい。


「あ……えっと、何となく……たまには違うとこで寝てみようかなって」


「ふぅん?そうなの」


私の苦しい言い訳に興味なさそうに返事をして、お母さんは出来上がった朝食をテーブルに運んだ。


私はリビングの窓から雨上がりの青空を見つめて、悠雅のことを思った。


ちゃんと家に帰ってるといいけど……学校でちょっとだけ様子を見に行ってみようかな。
話しかけなければ、悠雅も文句は言わないだろう。


というか、昨夜すでに会話をしているんだけど……学校では話したくないということなんだろうか。


私には悠雅の気持ちが理解できなかった。