ヨーグルトを食べ終えてからお母さんの分も後片付けを済ませ、部屋に戻って鏡で自分の姿を確認する。


念入りにアイロンをかけてストレートにしたツヤツヤの黒髪は肩までの長さで、密かな私の自慢だ。
顔立ちはつり目がちで面長なせいか大人っぽいと評されることが多く、かわいいと言われたい私としては若干不本意だが、そこまで悪い顔立ちではないとそれなりに気に入っている。


私は前髪をいじったり制服のリボンを整えたりして最終確認を済ませると、鏡の前でにこっと笑顔を作った。


「……うん、今日もちゃんと笑えてる」


頷いて、学校指定のスクールバッグを手にして玄関へ向かう。


「行ってきます」


誰もいない室内に向かってそう言うと、ドアを閉めて鍵をかけ、エレベーターに乗って1階に降り、エントランスを抜けて外へと出た。


春の陽射しが降り注ぎ、眩しくて一瞬目を閉じる。