クールな野良猫男子には逆らえない。

どれだけ引き裂かれたって、孤独感に打ちのめされたって、私の側にはいつも悠雅がいてくれた。
会えなくても、すぐ側に悠雅の心を感じていた。


だけどそれは、何も特別なことじゃない。
そして当たり前でもない。


でも、振り向けばそれは誰の側にもきっとある。
それは私の場合のように人間じゃないかもしれない。
物かもしれないし、目には見えない何かかもしれない。


それでも、きっと誰もが奇跡に出会えるのだと、私は信じたい。


そんなことを思いながら、私は雲ひとつない青空を見上げて、微笑んだ。