クールな野良猫男子には逆らえない。

ふと、悠雅は私からの手紙を全部読んだのだろうか、と思った。


私の悠雅への想いをしたためた手紙は、最後にこう結ばれている。


『たとえ結ばれない運命だとしても、貴方と出会って恋をしたことは、私の一生分の幸せでした。貴方が存在する世界は、私にとって奇跡です。生まれてきてくれて、生きていてくれてありがとう。愛しています』


あの神社に伝わる縁結びの儀式。
あれに必要な「大切な物」は、おそらく相手に対する「愛情」だ。
そして、ふたりの愛が困難を乗り越えて無償の愛となり、自分ではなく相手の幸せを心から祈ることができた時、ふたりの縁は結ばれる。


……と、私なりに考えたのだが、何だかロマンチックすぎてとても悠雅に話す気にはなれなかった。


だけど、もし私の考えた通りだったなら、すごく嬉しい。