クールな野良猫男子には逆らえない。

「……うん。ありがとう、悠雅。でもね、もう人前でああいうことはしないでね」


私がお礼を言いつつも釘を刺すと、悠雅は急に明後日の方向を向いた。


「それは無理。あんたがかわいすぎるから悪い」


「か!?」


悠雅の恥ずかしい台詞に、私は収まりかけていた顔の熱がぶり返すのを感じた。


「……じゃ、後で連絡するから」


そっけなく言って私に背を向けた悠雅の耳は真っ赤だった。
どうやら自分で言っておいて恥ずかしくなったらしい。


悠雅は、やっぱりかわいい。
だけどかっこよくて、人一倍繊細で、とても優しい人。