クールな野良猫男子には逆らえない。

悠雅は面白くなさそうにこちらをちらっと流し見た。
だが、私はとっくに悠雅の答えを理解していたから、聞く必要などないと思った。


「そんなことどうだっていいよ。怖いなら私がずっと側にいてあげるし、私は気にしないけど悠雅が克服したいなら全力でサポートする。大丈夫、悠雅はたくさん勉強してるんでしょ?いつかきっと克服できるよ」


昔の悲観的だった私なら、こんな言葉を心から言えることはなかっただろう。
でも今は、奇跡がこの世界に存在することを知っている。
だから、どんなに高い壁でもふたりなら越えていけると、信じられる。


「……じゃあ、明日から特訓する。だから今日は一緒に寝て、いっぱい甘やかして?」


悠雅が身を屈めて私の頬にキスをする。そして、猫みたいに頬をすり寄せた。
私はその感触が心地よくて、自然と笑顔になる。


「しょうがないなぁ」


それから私達は神社の神様にお礼参りをして、タイムカプセルを大事に抱えながら私のマンションへと向かった。