クールな野良猫男子には逆らえない。

元より私は悠雅の「お願い」には昔から逆らえない。


「お互いの夢が叶ったら、俺と結婚して。そして幸せな家庭を作ろう」


夕陽が、大好きな人を包み込むように優しく照らし出す。
私はその光景を生涯忘れることはないだろう。


「うん。ついでに美味しいハンバーグも作ってあげるね」


「ありがとう、柚華」


額をくっつけて笑い合った後、悠雅がふと真剣な顔になる。


「好きだよ。柚華」


「私も……悠雅が大好き」


私達は初めて唇を重ねた。
触れ合うだけの、優しいキス。


私はその時ようやく、私と悠雅の縁がしっかりと結ばれたのを感じた。