「柚華だよ。俺は柚華が欲しい」


悠雅の言葉に私は目を見開き、思わず口元を手でおおった。


「……何を言ってるの?」


悠雅は一体どういうつもりなんだろう。


すると、悠雅は呆れたように溜息をついた。
だけど、その顔は楽しそうに笑っている。


「まだわかんない?柚華を迎えに来たって言ってんの」


私はようやく悠雅の意図を理解して、信じられない思いで悠雅を見つめた。


「でも……新しいお母さんのことはもういいの?」


「母さん?すっかり元気になって、実家の畑耕してるよ。やっぱり都会の空気が合わなかったみたいで、田舎だとストレスなく暮らせるって言ってた。親父も、母さんの田舎で仕事見つけて、楽しくやってるよ。近々2人目も産まれるし」


「2人目って……子供がいるの?」


「うん。母さん、親父と結婚したの20代の時だったから、元気に子育てしてるよ」


「……そうなんだ……よかった……」


悠雅の家族が幸せに暮らしていると聞いて、私は胸を撫で下ろした。