悠雅は箱を地面の上に置き、優しい眼差しで私を見下ろす。


「今、俺は大学で心理学を学んでる。将来はカウンセラーとかそっち系に進みたいと思ってる。母さんみたいな人を助けることができるように」


母さん、という言葉に、悠雅は継母と呼んでいた人のことを母親として認めることができたのだと悟り、私は涙を堪えながら頷いた。


「……柚華は?今、何してる?」


悠雅に問われて、私は今の自分の状況を話した。
夢のために毎日頑張っていること、奈々と仲直りして今は友達もたくさんできて楽しくやっていること、お母さんとも本音で話せるようになったこと。


声を詰まらせながらたどたどしく話す私の言葉を、悠雅は穏やかに微笑みながら聞いていた。