目の前に、土がついた銀色の箱を抱えた青年が立っていた。


まだあどけなさを残していた顔立ちは大人の男性に近付き、髪は前より少し短くなって、ピアスもしていない。何より、背が伸びた。


変わったところはたくさんあるのに、私には彼が悠雅だとすぐにわかった。


「……悠雅……?」


呆然として名前を呼ぶと、悠雅は子供の頃のように屈託のない笑顔を見せた。


「久しぶり。元気にしてた?柚華」


悠雅はなぜそんなに冷静でいられるのだろう。
私は突然の再会に動揺して、言葉がうまく出てこなかった。


「……どうして、ここに……?」