悠雅にもう一度会える時が来るとしたら、それは私達がお互いに心から幸せだと思えるようになった時だろうと、私は何となく考えていた。


きっと、それは今じゃないのだろう。
今じゃないだけで、いつかきっとその時は来る。


そう思ってご神木を見上げた時、ふいに夕焼けで鮮やかなオレンジに染まった空から、ポツポツと雨が降ってきた。


天気雨だ。
そういえば、高校で再会してから初めて悠雅がうちにやって来た日も、雨が降っていたっけ。


あの時の悠雅は雨でびしょ濡れで、大雨の中住所を頼りに私の家を探し出してくれたのだと思うと、切なさで胸が締め付けられる。


どうやってオートロックを突破したのかは、未だに謎だが。