あんたがこの手紙を読むことがあるのかどうかはわからない。いっそ、一生読まれないほうがいいのかもしれない。

でも、俺はここに俺の気持ちを、俺の大切なものを残していきたいと思った。

そうすれば俺達の千切れた縁がもう一度結ばれて、またどこかで柚華に会えるんじゃないかって、そんな希望を抱きながら生きていけるから。

柚華、子供の頃、暗闇を怖がる情けない俺を、ずっと守っていてくれてありがとう。

家でも学校でも誰にも心を開けなかった俺にとって、柚華だけが光だった。

本当は俺がこの手で柚華を幸せにしたかったけど、それはできないから、いつか俺のことを忘れて別の誰かと幸せになって欲しい。

柚華、好きだよ。

俺と出会ってくれて、生まれてきてくれてありがとう。

さよなら。

碓氷悠雅』