クールな野良猫男子には逆らえない。

会えて嬉しかったけど、ずっと側にいると約束したのに手紙ひとつ寄越さなかったあんたを恨む気持ちがなかったわけじゃない。

それに、あんたは友達と楽しそうに笑っていて、俺のことなんて本当はどうでもいいんだって思ったら、素直になれなかった。

だけどある日、俺は不思議な夢を見た。それが柚華の記憶だと悟ったのは、あんたが母親や友達の前で無理をして笑っていたからだ。

思えば昔から、あんたは俺や家族の前で笑ってばかりいた。でも、誰もいないところでひとりで泣いていたのを俺は知ってる。

だから、俺はあんたの側にいたいと思った。