クールな野良猫男子には逆らえない。

でも、俺は反発した。俺はこの街を離れたくなかった。

ただでさえ再婚する時に柚華と住んでいた家から別の家に引っ越していたのに、その上この街を離れたら、柚華との繋がりが本当になくなってしまいそうで、嫌だったんだ。

俺は柚華がどこにいるのかも知らない。だけどここにいれば、大人になった柚華が自分の意思で俺に会いに来てくれるんじゃないかと期待していた。

親父はそんな俺に半年間だけ猶予をやるから、その間に柚華との関係にけじめをつけてちゃんと別れろと言った。そのために、柚華と同じ高校に通うことを許すと。

そんなの従う義理はないと思ったけど、親父は俺に頭を下げた。

これ以上自分の幸せを奪わないでくれと言われた。

俺の実の母さんのことを言っているんだと思った。

俺はそんな親父に逆らえなくて、半年間だけこの街の高校に通うことになった。

そしてそこで、あんたに会った。