クールな野良猫男子には逆らえない。

続いて、私は手紙に目をやった。
まず、自分の分の手紙を読んでみる。


『10年後のわたしへ』と下手な文字で書かれた文章を目で追う。
そこには、幼い私の悠雅への想いが溢れていた。




『10年後も、わたしはりっぱなお姉ちゃんでいますか?
悠雅のことを守ってあげられていますか?
男の子の反抗期はこわいって聞くけど、悠雅と仲良くやれていますか?
もしケンカしたら、悠雅のこと大好きなんだよって、何度でも伝えてあげてください。悠雅は寂しがり屋で、いつも泣いてばかりいるから、ぜったいにひとりぼっちにしないであげてください』




「……ごめんね……」


私は手紙の中の幼い私に謝った。


私は悠雅のことを守ってあげられていない。
ひとりぼっちにしてしまっているし、まだ大好きだと伝えられていない。


昔、私が憧れたような立派なお姉ちゃんになんか、なれていない。