クールな野良猫男子には逆らえない。

「……気付いてたの?」


「同じ学校に通っていると知った時から、何となくふたりは昔みたいになるんじゃないかって気がしていたの。……私は、それがずっと怖かったのよ」


お母さんは指を組んでテーブルに肘をつき、私から視線を逸らす。


「どういうこと……?」


「貴方達は気付いていないのかもしれないけど、昔からふたりは仲が良すぎたわ。私は貴方達にはただの姉弟でいて欲しかった。いくら血が繋がっていないとはいえ、姉弟で結婚なんてことになったら色々と面倒なことになるって、警戒していたの。だから、離婚した時貴方に悠雅との連絡手段を与えなかった」


……面倒なことになる。
その言葉に反発心が湧いてくるが、お母さんは「でもね」と続けた。