クールな野良猫男子には逆らえない。





それから授業を終えてマンションに戻った私は、そわそわしながらお母さんの帰りを待った。
やがて夜になり、夕飯の支度を終えた頃、「ただいま」という声とともにお母さんが帰ってきた。


お母さんと食事をとりながら、私は悠雅のことを話す機会を伺った。
そんな私に、意外にもお母さんのほうから声をかけてきた。


「何か話したいことがあるんでしょう?」


私は驚いてお母さんを見つめた。お母さんは微笑みながら、私の返答を待っている。
私はごくりと唾を飲み込んで、話し始めた。


「……悠雅が今どこにいるか、知ってる?」


「やっぱり、悠雅と会ってたのね」


お母さんは私の言葉を予想していたように苦笑した。