クールな野良猫男子には逆らえない。

「あぁ、私見たよ。ふたりで手繋いで一緒に帰ってるの。弟って転校したんだっけ?その頃からだよね、瀬戸さんがおかしくなったのって」


「こんなこと言いたくないけどさぁ、瀬戸さんもその弟もちょっとおかしいんじゃない?義理とはいえ元姉弟でしょ?漫画の世界ならまだしも、リアルでそういうのされるとちょっと引くよね」


「あの弟、イケメンだけどチャラそうだしすごい遊んでるっぽかったよね。瀬戸さんあいつに遊ばれて捨てられたんじゃない?だって全然釣り合ってないじゃん」


楽しそうに笑いながら放たれたその言葉に、私は拳をきつく握りしめた。