教室に着くと、私の姿をみとめたクラスメイトの女子達が一斉に私を取り囲んだ。


「ずっと休んでたけど、大丈夫?ひょっとして碓氷くんとなんかあったの?」


その言葉に、ドクンと心臓が跳ね上がった。
なぜ、ここで悠雅の名前が出てくるのだろう。


「……なんで?」


嫌な予感がして、私は恐る恐る尋ねた。
すると、驚いたように女子達が顔を見合わせ、やがてそのうちのひとりが重い口を開く。


「知らないの?碓氷くん、急に転校しちゃったんだよ」


……転校?


しばらくの間、私は言葉の意味を理解できなかった。
だが、徐々に思考が冴え渡り、認めたくない現実を私に突きつける。