結局、私は悠雅とのことをお母さんには話さなかった。


まだ気持ちの整理ができていないというのもあるけど、義理とはいえ姉弟だった私達が一時でも想いあったことを、お母さんには理解してもらえないかもしれないと思ったからだ。


だけどお母さんと本音で話して、少し平静を取り戻した私は、翌日学校へ向かった。
お母さんには「本当に行くの?無理しなくていいのよ?」と心配されたが、「大丈夫」と返してマンションを出た。


まだ笑うことは難しいけど、いい加減前に進まなければいけないと、頭ではわかっていた。


ただ、学校に行けばまた悠雅と顔を合わせる機会があるかもしれない。
赤の他人に戻った私達は、言葉を交わしてはいけない。
でも、もし悠雅に無視されたら、立ち直れないほどショックを受ける気がして、それだけが怖かった。