それから私は、どうやって過ごしたのかよく憶えていない。
学校では上の空で授業を聞いて、家でも部屋で寝てばかりいたような気がする。


「柚華、何かあったの?」


とうとう朝ベッドから起きることができず、学校にも行かなくなった私を、さすがにおかしいと思ったのか、お母さんが心配そうに聞いた。


何も答えず、ただ虚空を見つめる私に、お母さんが呑気な声で言う。


「柚華はいつも元気だったじゃない。お宅の娘さんは本当によく出来たいい子ですねって、みんなから言われるのよ。ねぇ、何があったか知らないけど、元気を出して?柚華には笑顔が一番似合うわ」


いつも元気だった?笑顔が一番似合う?


私が今までどれだけ努力して、その元気や笑顔を保っていたか、貴方は知っているの?