クールな野良猫男子には逆らえない。

「……帰ってくるの、今日だったっけ」


「そうよ?言ってなかった?」


そういえば、お母さんが家を出た後に帰る日にちがメッセージで伝えられたような気もする。
少し前のことなのに、もう遠い昔のことのように感じた。


「……おかえり、お母さん」


とりあえずそう言って紙袋を受け取り、中を覗くと有名なお店のロールケーキが入っていた。
いかにも甘党の悠雅が好きそうなスイーツだ。


「これ、友達と食べてもいい?」


「ん?いいわよ別に」


「ありがとう」


お礼を言って、私は朝の支度をするために自分の部屋に戻った。


早く学校に行って、悠雅にこれを渡そう。
そして、お母さんが帰ってきたからしばらくはうちには来ないように言わなくては。


早く悠雅に会いたい気持ちを抑えながら、私は急いで制服に着替えた。