クールな野良猫男子には逆らえない。

一緒に寝ていたはずの悠雅がいない。
部屋を見回しても、どこにも見当たらない。


私は急いで起き上がり、和室の戸を開けてリビングに向かった。


「悠雅……どこ?」


リビングにも悠雅の姿はなかった。
ふとテーブルの上に目をやると、繊細な字で「先に行く」と書かれたメモ用紙が置いてあった。


悠雅の字だ。
私はメモ用紙を手に取り、不安が止まらない心を懸命になだめた。


大丈夫……たまたま早起きをして、先に家を出ただけだろう。


でも、今までこんなことは一度もなかった。


違う……私達は両思いだと、昨日確認し合ったばかりじゃないか。


じゃあ、あの夢は一体何?