クールな野良猫男子には逆らえない。





夢を見ていた。


これはいつの夢だろう。見覚えのない部屋だ。


私は真っ暗な部屋の中でベッドに潜り込んで、恐怖にガタガタと震えていた。


外は嵐のようで、雨が窓を激しく打ちつける音が聴こえる。


「怖い……誰か助けて……お姉ちゃん……」


私の唇が、勝手に動いて言葉を紡ぐ。


お姉ちゃん?誰のことを言っているの?