クールな野良猫男子には逆らえない。

悠雅の言葉にかっとなり、私は振り返って叫んだ。


「弟だなんて思ってない!」


言ってしまってから、こんなタイミングで言うはずではなかったのに、と後悔が押し寄せる。


悠雅は言葉の意味を理解できないみたいに眉根を寄せ、やがて目を見開いた。
そして、手に持っていたペットボトルを放り出し、私の身体をきつく抱きしめる。


私は一瞬何が起こったのかわからず、悠雅の腕の中で、呆然と床に転がった空のペットボトルを見ていた。
だが次第に状況を理解し、私の服越しにぴったりと寄り添うしなやかな筋肉に覆われた男らしい身体に、胸が破裂しそうなほど高鳴るのを感じた。