クールな野良猫男子には逆らえない。

「……ずっと、こうしてられたらいいのに」


何かに祈るように、すがるように紡がれた言葉だった。


私も同じ気持ちだった。
ずっとこうしていられたら、どんなに幸せだろう。
でも、悠雅は私とは何か別のものを見ている気がした。


「……悠雅？」


私達は両思いで、後は私が告白するだけで全てがうまく行くと思っていた私は、急に悠雅が何を考えているのかわからなくなり、不安になった。


悠雅はそんな私に何も言わず、ひたすらゆっくりと歩いた。
ふたりの時間を惜しむように。