クールな野良猫男子には逆らえない。

私は差し伸べられた手に、自分の手を重ねた。
悠雅の細くて長い指が私の手のひらを優しく握り、ゆっくりと引き寄せる。


私達は恋人同士みたいに自然に手を繋いで、帰り道を歩いた。
子供の頃とは違う、指と指を組み合わせるみたいにぎゅっと握り合う……いわゆる、恋人繋ぎと呼ばれる繋ぎ方だ。


「ねぇ、晩ご飯何がいい?」


悠雅を見上げながら聞くと、穏やかな眼差しが私に向けられる。


「ハンバーグ」


「また?ほんとに好きだね」


言いながら、また笑顔になる。
悠雅はそんな私を眩しいものでも見るみたいに目を細めて、じっと見た。


「どうしたの?」


不思議に思って問いかけると、私の手を握る力が少しだけ強くなる。