放課後、私が昇降口を出ると、校門のところに見知った姿を見つけて、思わず駆け寄った。
「悠雅、どうしたの？」
息を切らしながら話しかける。
私の姿をみとめた悠雅は、こちらに向かってすっと手を差し伸べた。
「お願い。手繋いで一緒に帰りたい」
悠雅のかわいらしいお願いに、私は顔を綻ばせた。
「いいよ」
周囲には家路を急ぐ生徒達がいて、私達をちらちらと見ている。
私達が義理の姉弟だと知っている人も、中にはいるだろう。
でも、そんなことどうだってよかった。
誰に何を言われたって関係ない。私達は別に悪いことはしていないのだから。
