ふたりで夕飯を食べて、お風呂に入り、寝る準備を終える。
今では当たり前のように一緒に眠っているけど……今日は少し、緊張していた。


ずっと美咲ちゃんのものだと思っていた腕が、私の背中にまわされる。
これからは、遠慮せずこの身体を抱きしめていいのだ。
私は目を閉じて悠雅の背にしがみつき、硬い胸板に頬を寄せる。
左胸から聴こえてくる心音は少し速くて、私のものと同じだと思うと嬉しくなった。


「……ねぇ」


私の髪に顔を埋めた悠雅が口を開く。
私ははっとして、悠雅を見上げた。


「お願いがあるんだけど」


半ば予想していた言葉に、一気に身体が固くなる。
一体何をすればいいのだろう。さっきみたいに他愛ないことなら、どうってことないんだけど……。