悠雅は私を満足そうに見つめると、靴を脱いで室内に上がった。
そして、私の手を引いてリビングへと連れていく。


「……とりあえず、腹減ったからなんか作って」


「それも、お願い……?」


私が尋ねると、悠雅はソファの上に腰を下ろしてほんの少し口角を上げた。


「……そうだよ」


「わかった……」


私はエプロンをつけてキッチンへと向かう。
身体は疲れていたが、そんなことはどうでもよかった。


私には、悠雅が側にいてくれさえすればそれでよかった。


その時は、そう思っていた。