木曜日 


連日の夏日が途切れ、久しぶりの曇り空。

8月も終盤になり、少しずつ夏も終わりが近づいているのか、あれだけ煩かった蝉の鳴き声もいくらかトーンダウンしている気がする。

今朝は浮かない気分のまま出社し、総務課の入口近くにある課内の行動表をみれば、関君と落合さん共に、朝から他部署の会議に参加。

午前中一杯は不在のようで、何となくホッとしてしまう自分に情けなくなる。

昨日は、あれからしばらくして戻った関君は、まるで何事も無かったように仕事を続け、終業時間になると、私の方が逃げるように会社を後にした。

現時点まで関君からの連絡は、メール一つさえ無い。

…もしかしたら、もう既に私達の関係は、元の同僚に戻っているのかもしれない。

そもそも、”この交際を考え直したい”と申し出たのは私の方で、関君からの異議が無ければ、その通りになるのも当然のこと。

こうなると決定権を関君に委ねたようなもので、今更ながらに自分の中途半端な行動を悔いたところでどうしょうもなかった。