結婚はあきらめ養子を迎えたら、「お義母様大好き」と溺愛されています

 どんな子なのかは、会ってからご説明しますとセバスが言ったので、詳細は聞いていない。
 ほら、話を聞いてからだと先入観から、子供の本質が見えないといけないからというセバスの配慮なんだけれど。
 ……どんな子かなぁ。女の子みたいに可愛い顔をした男の子かな。それとも、鼻の頭に擦り傷のあるような男の子らしい活発さを持った子かな。
 領地をめぐって、いろいろな子供達とも触れ合って来た。悪ぶっている子も本質的にはいい子だというのも学んだ。
 どんな子供だろうときっと可愛いよ。

「通してよろしいですか?」
 初めての顔合わせ。これからセバスに連れられて私の子供になる子が入ってくる。
 ドキドキ。
「はい。通してください」
 セバスに通された子供は……。
 あれ?
 どこ?
 護衛らしきキラキラした青年の姿しかないけれど?
 部屋の中を興味深げに見まわしす5歳くらいの子供の姿もなければ、緊張して微動だにできずにまっすぐこちらを見る10歳くらいの子供の姿もないけれど……。
 あれ?
 セバスが、資料を片手に説明を始めた。
「お嬢様のご希望である、ロマルク公爵家の血筋ですが、4代前、つまり、お嬢様の高祖父の御父上の妹気味が嫁いでおられ、その直系にあたります」
 ん、なんかややこしいけれど、血はちゃんと流れてるってことね。
「見ての通り男子であり、高等学園を優秀な成績で卒業しておりますので、お嬢様の男の子で賢い子という条件にも合致しております」
 確かに……そうね。
「それから、常に、ご家族や親しいご友人に、自分は四男だから、家族や領民のためになる婚姻を望むとおっしゃっていたようで。ご友人の誘いにも、女性からのアプローチもお断りしていたと」
 なんていい子なのかしら。随分モテそうな容姿なのに浮ついた気持ちで女性に手を出さなかったなんて。
 なかなかできるものではないわ。
「さらに、見ての通りリーリア様と同じ見事な金の髪をしております」
 ……そうね。お父様と同じ色の髪だわ……。
「お話をしたときにはご家族も戸惑っておられましたが、3日前には快い返事をいただき、ご本人も問題ないと……いうことで。すべての条件を満たしております」
 ん。確かに。
 そうよね。確かにそうだわ。
 私が出した条件は見事にそろっている。
 ……っていうか、年齢については何一つ言わなかったもの。