結婚はあきらめ養子を迎えたら、「お義母様大好き」と溺愛されています

 ……野菜嫌いな私のために、約20年前に開発された、それはもう特別な……って、今は、そこまで野菜は嫌いじゃないですよ。大人ですし。
「そういえば、騎士科では体が資本ということで、野菜ジュースが訓練中にも出される風習があると聞きましたが、本当ですか?もしかしてそれは……とてつもなくまずい味なのかしら?」
 お父様が昔行っていた。風習とはいえ、あれはきつかったと。むしろ精神的苦痛で健康を害するかと思ったとか。それに比べればピーマンは美味しい方だと……って、やっぱりピーマンが嫌いだったんですよね。
 そうか。お父様も騎士科を卒業しているから、アルバートと似ているのかもね。騎士科の人たちは立ち姿が違うと言うし。
「安心して頂戴。見た目はそっくりらしいけれど、我が家の野菜ジュースはとても美味しいのよ」
 にこっと笑うと、アルバートも安心したのか、こわばっていた表情が緩んだ。
 私が食べ始めるとアルバートも朝食を口にし始めた。
「リーリア様は、今日はどのように過ごすのですか?」
「今日は、午前中は領地の視察ね。この野菜ジュースの原料であるソフトケール生産地を見て回るのよ。耕作地をどこまで広げるべきか農家と相談することになっているのよ」
 アルバートが首を傾げた。
「そんなことまで?穀類……税金で納められない葉物の野菜は農家に栽培を任せるのではないのですか?」

「ええ、もちろん。普通は自分たちが食べる分の作物は自由に作ってもらうのだけれど。ソフトケールは冬にも収穫できる葉物野菜で、栄誉もある上に、乾燥させれば保存もできるのよ。しかも、ケールに比べて苦くない」
 アルバートが感心したように頷いた。
「それは、すごいですね。どうしても冬場に食べられる野菜は不足するので、保存までできるなら便利ですね」
「そうなのよ。だからうちの領地の産業として発展させられないかと考えているところなんだけれど……」
「何が問題なんですか?」