結婚はあきらめ養子を迎えたら、「お義母様大好き」と溺愛されています

 褒められたからには褒め返す。
 ああ、もちろん、アルバートがお世辞だとしても、私は本音。
 本当によく似合っている。
 ……と、思って目いっぱい褒めたのに、なぜかアルバートはあまり嬉しそうな表情を見せない。
「制服……は食事の席に着てくるものではなかったですね……」
 とつぶやいた。
 あら?もしかして、夕食に引き続いて、楽な恰好で現れた私を見て、正装にも使える制服で来たことを失敗したと思ったの?
 嫌味で制服が似合うって言ったわけじゃないよ、誤解だよっ。
 本当にすごく似合っているんだものっ!
「いいえ、かまいませんよ。この後学校ですよね?しっかり準備することはいいことです」
 慌てて言葉を続けてフォローしたんだけれど、浮かない顔のままだ。
★プチアルバートサイド★
 ……制服を僕はどうして着てきてしまったのだろう。
 いくら、12歳差なんて大したことないと思っても……それでも、やっぱり、12歳の差は大きいような気が急にしてきた。
 僕は、まだ学校の制服を身につけるような子供だと……嫌でも自覚させられる。
 年の差は……埋めることができない。
 努力でどうにもならないことだ……。
★プチ終り★

「さあ、食べましょう。しっかり食べて、勉強頑張ってね!」
 と声をかけると、さらに表情が……。
 あれ?
「僕は……まだ、学生だということを悔しく思う日がくるなんて……」
 ん?聞き取れない声でアルバートが呟きを漏らす。
 ……こ、これは……。
「もしかして、朝食に嫌いなものが並んでましたか?えーっと、好き嫌いなしでちゃんと食べないとダメですよ?」
 テーブルの上に乗っているのは、セバスなのか料理長なのかが気を使ってくれたであろう、人参のソテーと分厚く切ったハム。
 アルバートの好物だという人参と、朝とはいえ肉っぽいものをと気を使ったものだろう。それに加えて、薄くスライスして軽く表面を焼いたパン。
 あと、リンゴとバナナ。それから野菜ジュースだ。色は緑で一見するとまずそうに見えるんだけれど、これが意外と美味しい。緑色はアボカドという果実とソフトケールという苦くないケールの色だ。栄養があるからと、何でも野菜を使えばいいと作られたまっずい野菜ジュースとは違うのですよ。