結婚はあきらめ養子を迎えたら、「お義母様大好き」と溺愛されています

 18年間……いや、5歳から教育を受けていたとしたら13年間。13年間学んでいたはずの領主教育を、2年で……いや、1年で学ぶ。経験や実践が伴わないがそれは年月に解決してもらうしかない。が、過去に学べることはたくさんあるはずだ。
 そして、なんとしても……リーリア様と結婚する。夫として、彼女を一人にしない。もう、泣かせない。守りたい。
 ああ、この気持ちの名前を知らない。
 僕が求めているのは、熟女ではない……。リーリア様なんだ……。
 (天の声*ぼっちゃん、それが恋ですよ)

★視点戻ります<リーリア視点>★
 ……。
 私、いつの間に寝てしまったのかしら?
 そして、どうやって自分のベッドに移動したのかしら?
 それから……なんだかいい夢を見たような気がする……んだけれど。どんな夢を見たのかしら?
 おっと、こうしてはいられないわ。
 朝の支度を急がなければ。
「ハンナ、おはよう」
「お嬢様、朝からどうしたのですか?」
「朝、子供のためにすることって何かしら?」
 昨日まとめて聞いておけばよかったんだわ。
「アルバート様は学校があるんですわよね?」
「ええ。王都の学校だから、うちからなら馬車で1時間ほど……」
「でしたら、ご一緒に朝食を取りながら、学校の話をしたりして、そうですね、あとは笑顔で行ってらっしゃいと送り出すくらいでしょうか?忘れ物をしていないかの確認も必要ですね」
 そうか。そうよね。
 アルバートはまだ親衛隊養成学校に通わなければいけないんだもん。朝なんてそれくらいしかないわよね。
 笑顔で送り出す。うん。
「ありがとうハンナ!笑顔ね、笑顔!」
 部屋に戻って鏡を見ながらしっかり身支度を始める。もちろんハンナはいなくても他の侍女がすべてやってくれるんだけれど。
「お嬢様、今日はずいぶんと顔色がよろしいようですわね。よく眠れたのですか?」
 侍女がおしろいを塗りながら話しかけてくる。
「ええ、ぐっすりと眠れたようなの。なんだか、いい夢を見ていた気がするんだけれど、覚えていないくらい」
 鏡越しに侍女が嬉しそうな顔をしたのが見える。
「アルバート様のおかげでしょうか」
「え?」
 アルバートのおかげでよく眠れた?の?
「立派な方のようで。彼のような方が公爵家を継いでくださるなら、リーリア様もご安心ですね」