結婚はあきらめ養子を迎えたら、「お義母様大好き」と溺愛されています

 ちょ、心臓、僕の心臓……動いてるっ!思わず止まっちゃったんじゃないかと思って確かめた。ドキドキが加速しすぎて機能停止するかと思った。
「こんな、ご褒美……」
 まさか、まさか、待っているなんて。
 時期領主なんてまっぴらごめんだけれど、……ああ、この二の腕を僕の物にするために、僕は命がけで勉強して見せる。
「あら、いやだ、大げさね。ふふ」
 ふふっと笑ったリーリア様の目じりに、まだ浅いけれどしっかりとしわが見えた。
 ああ、素晴らしい。
 何てすばらしい目じりのシワ……。
 きっと素敵な人生を歩んできたのが、このシワ一つで……ご飯3杯は行ける。(天の声*おいアルバート、ご飯って世界感違うからな!)

■★視点戻ります<リーリア視点>★★
 夕食は、うん。問題なく取れたわよね。
 ……まぁ、なんか、きがつけば、3日に1度人参生活になってしまったけれど……。料理人には、できるだけ人参っぽくない人参料理を頑張ってもらいたい。人参のケーキだとか、人参の形がないシチューだとか。
 あら?それだと、アルバートが悲しむかしら?
「ふ、ふふ」
 私ったら。
 思わずアルバートが悲しむか喜ぶかを考えるなんて。初日にして、かなり親っぽいんじゃない?
 おっと、ダメダメ。セバスにことを性急にすすめてはダメだと言われたばかりだわ。ゆっくり親子になって行けばいいんだ。そうだよね。うん。
 と、親子って、でも、夕飯の後は何をするの?
 ……私、お父様と夕飯の後はどう過ごしていたかしら?
 あ、違うな。私は父親じゃなくて母親になるんだもの。母親との過ごし方……。
 知らないのよねぇ。だって、お母様は顔を覚えていないくらい小さいころに亡くなっているから。
 でも、だ、い、じょ、う、ぶ。
「ハンナァーーーーッ!」
 そう、私には強い味方。ハンナママ先輩が付いている!
「お嬢様、どうなさいました?」
「あのね、あ、まずはお礼を言うわ。肉が好きだろうと教えてくれてありがとう、ハンナ。なんかね、肉を見ただけで、こう、ずいぶん興奮した様子で、肉、肉と、口に出しかけていたわ」
 思い出して、思わず楽しくなって笑みが漏れる。

「あはは、それは良かったです。うちの子たちは、差し入れられた肉を見て「肉だー!」「肉ぅー」と、ジャンプして踊り出していましたよ。口に出すのを我慢していたなんて、お行儀がいいですね」