結婚はあきらめ養子を迎えたら、「お義母様大好き」と溺愛されています

 どんな反応を示すだろうか。くすぐったがるかな。それとも気持ちよさそうな表情を見せてくれるだろうか。
 ちなみに、シワ一つない若い女のクビは、時々ぎゅっとしめたくなるのは内緒だ。ぴーちくうるさすぎて……。
「ではお食事のお時間までおくつろぎください。食事は楽な服装で構いません。家族での食事ですので」
 セバスが出て行ったあと、天使との蜜月を想像しすぎて色々とやばかった。
 うん、とりあえず領主の勉強とかしてそうな元クラスメートのリストでも作っておこう……。
■★8

 夕食ですとセバスが呼びに来た。
 僕はとりあえず、先代が好んでよく着ていたという飾り気のない白いシャツに、青いタイ。それからズボンを身に着けた。
 残念なことに、体型には少し差があるようで、ズボンの丈が若干短い……。まぁ、お古を着る生活が普通だったから、ズボンの裾が合わないなんて全く気にならないんだけれど……流石に公爵家にお世話になる身としてはみっともない恰好はできないよなぁ。
 裾を見れば、折り曲げ部分をほどいて少な目にして折り返して縫えば調整できそうだ。本の2センチほどのことなので。
「これは、これは……よくお似合いです」
 部屋に入ってきたセバスが感心したように声を上げる。
「ありがとう。裾だけ少し直してもらえばサイズもぴったりです」
「ほぼ体型も同じということですねぇ。これで、少し重心を右にして立てば先代公爵様の若いころにそっくりですよ」
 重心を右に?
「お嬢様……リーリア様は食堂でお待ちです。どうぞ」
 セバスに促され部屋を移動する。
 食堂の扉を開いて中に入ると……。
 僕のマイスイート熟女が、にこやかな表情で立っていた。
 それも、まるで美の女神ヴィーナスか!という輝かしさで。
 初対面の時は、かっちりした正装に近いドレス姿だったマイスィート熟女女神は、さらさらと柔らかくて軽そうな生地のワンピースを身に着けている。
 薄いクリーム色のワンピースが、白い彼女の肌をより美しく見せている。水をはじくような自己主張が激しそうな肌ではない。しっとりとした吸い付いたら離れなさそうな魅力的な肌だ。
 楽な服装でと言われ、僕は長袖のシャツと長ズボンんを選んだ。
 季節は春から初夏に向かおうとしている。長袖でも半袖でもいいような季節なのだが、初対面の時に長袖だったから……。
 まさか、それなのに……。