結婚はあきらめ養子を迎えたら、「お義母様大好き」と溺愛されています

「何かあれば、私にご相談ください。リーリア様には私からそれとなく話しておきますので。大丈夫でございます。話の分からない方ではりません。世間では30歳近くになってまで独身だったというだけで色々と噂されているようですが、父親思いの優しい方です。わがまま放題で好き勝手に振る舞い思い通りにならないことには癇癪を起し逆らう者には容赦しないというようなことは決してありません」
 優しい方。
 そうか、僕の天使は、優しい女性なのか。ああ、理想の塊は、心まで理想的だと言う話なのか?
 って、それより、30歳まで独身。これ、大事な情報。旦那はいないってことだ。
 じゃなくて、確認しておかなければ。
「リーリア様には、お子さんは……」
 まだぬか喜びはできない。結婚していなくたって子供がいる貴族など死ぬほどいる。隠し子というやつだ。
 まぁ女性の場合は隠しようもないのでそれほど多くはないわけだが。むしろ、あんなに素敵なのに30歳まで独り身だったというのは、特殊な事情があってのこと……。隠し子がいたという可能性がないわけではない。
■★3
「心配には及びません。リーリア様に今後お子様が生まれることがありましても、次期公爵はアルバート様から動くことはございません。そのために、公爵家の血が流れている方から養子を探しましたし、ロマルク公爵家の跡継ぎ問題でもめるよなことがあれば陛下も黙っていませんので正式に養子となる際に誓約書には王家の印もいただくことになっております」
 そうか。
 僕は、幼女と結婚しなくていいんだ。
 そもそも、結婚の話じゃなくて、養子か。
 理想の塊が僕の義母?
 両親があんなに申し訳ないと言っていたのは、親子の縁を切ることに対してだったのか。養子に出すイコール、貴族社会では一切生家との縁は切らないといけないからなぁ。のちのごたごたやらお家乗っ取り騒動やら揺すりたかりやら何やら問題が起きないように。
 ……お金で子供を売るようなと申し訳ないって……僕は熟女の婿になれると思い込んでいたから、大喜びしてる心を隠して「僕は幸せになれるから大丈夫。心配しないで」と繰り返し両親を説得したけれど……。