結婚はあきらめ養子を迎えたら、「お義母様大好き」と溺愛されています

 いや、苦手な人参食べたくないからじゃないよ?……ごめんなさい、嘘つきました。ごめんセバス……。
 と、睨まれているのかと思ったら、はぁーっとため息を吐き出した。
 あ、そうだ!お父様には、よく「リーリア食べるかい?」なんてケーキのイチゴとかもらったりしてたけど……。
 普通は、自分の皿の品物を差し出すような真似しない……んだっけ?
 いや、家族ならするよね?
 でも、まだ息子じゃない。性急に関係を詰めよるのはダメだって、セバスは言ってた。言ってたの、忘れてた。

 アルバートは驚いた顔を一瞬見せたけれど、すぐにトロンとした目つきをして、口を開け身を乗り出した。
 無作法だと思われなくて良かった。
 っていうか、どんだけ人参好きなんだろう。週に1度じゃかわいそうかなぁ……。もう少し出してもらう?
 でも、人参……。
 アルバートが待ちきれなかったのか、私がフォークを持つてをそっと手に包み込み、そのまま自分の口元にフォークを誘導した。
「おいしい」
 とろけるような顔を見せるアルバート。
 何、うちの子かわいい!キュンキュンする、この気持ちは、母性ね!
 美味しい物を食べてこんなにうれしそうな顔をするなんて。
 決めたわ!
「セバス、夕飯には毎日……いえ、2日に1度……い、いえ、あー、そう、3、3日に一度人参を……」
 四日に一度にすればよかったかな?
 と言うと、セバスがにこりと笑って「かしこまりました」と返事をした。
 あああああ、やっちまった。でも、私も人の親になるのです。好き嫌いに負けてはいられません。
「アルバートさまにご満足いただけるように、たっぷり用意するよう料理人に伝えましょう」
 うぐっ。たくさんの人参……
「リーリア様にはいつもの量でとも忘れずにお伝えいたします」
 ……セ、セバス……もしかして、私で遊んでない?気のせいよね?セバスは有能だもの。
★視点変わります<しばらくアルバート視点>★
■ 
 あ、あれ、おかしいな。
 寒気が。震えが止まらない。
 いつの間にか気を失ってしまったのか、ふかふかのベッドに寝かされている。
 今は冬ではなく春のはずなのに。布団をかぶっているはずなのに、震えが……止まらない。