吸い込んで、夏。




「これは、わたしの自惚れじゃあないかな」

「ちょっとタンマ」

「やだ」

「……自惚れ、じゃ、ない」



わたしは待たないぞ。その姿勢を見せた途端、目をつぶった千代田が言った。



「事実」



千代田の黒いTシャツ。暑そうだ。



でも。



地球温暖化がどうなんて関係ないことで、わたしたちは、暑いと思っている。



熱くて、暑い。



もっと可愛げのある言葉で。

もっと素直に、きっちりと。



伝えよう。



心の中で宣言をして、夏を吸い込んで、口を開く。



「千代田、あのね」



熱くて暑い、夏。



夏が、まだ。





終わりませんように。



End.