「上月は?」 千代田がいたずらっぽく笑う。 いたずらっぽい表情、似合うね。心の中で。 コオリ。 「……っ」 トケル。 わたしは、逃げるように。 ……スプーンを救い出す。 「ね、上月」 千代田が追い詰めるように口を開いた。 「最初に訊いたのは、上月でしょ」 「そうだけど……」 「いるの?」 いる。口を動かしただけ。声は地球温暖化のせいで蒸発した。