「ばあ」 これだから千代田(ちよだ)は。 「心臓、飛び出すかと思った」 「飛び出したら焼いて食べたげるね」 「やだよ。千代田、ほんとにやりそうでよけいやだ」 「やんねーよ」 ケタケタと笑っているこの男、だいぶツボが低いらしい。 「上月(こうづき)が見えたから、つい」 「つい、でひとを脅かすひと、はじめてだよ」 「上月のはじめて?よっしゃあ」 「皮肉ってるんだけどね」 道を歩いていたら、突然、家を囲んでいる塀から生首が現れたのだ。 しかも、ばあ。なんて言いながら。