宗馬から、久保田と付き合っているという知らせを聞き、俺自身はそう驚かなかった。


宗馬の行動を見てりゃ、久保田のことはまあ好きだろうなとは思っていたからな。

文化祭でもサイリウムは久保田と同じ色だったし、他にも何かと合わせていたし。


……まあ、久保田と宗馬はそんなにいうほど合わないカップルでもない。


正直、伝えたいことってそれだけかと思うけど。



「話は終わったってことでいいな? じゃ、俺はもう帰る」



「おう、俺らもこれからデートの予定だから」



……そんな報告いいから、とっとと行きやがれ!



「……ああっ、おい健二!」



「なんだよ」



帰れると思ったら、呼び戻すのかよ。
振り返ると、宗馬は俺の耳に近づいてきた。



「お前も、そろそろ自分の気持ちを女の子に伝えろよな」



と、小声で宗馬は俺に耳打ちをした。



「……はぁ!?」



なんで俺が好きな女子いる前提のような言い方をするんだよ、こいつは!


いや、まあ、いないといえばそりゃあ嘘にはなるけど、俺はそんなこと誰にも言っていない!