朝は、いつも通り。

「瑠海〜、おはよっ!」

「おはよ〜。」

「瑠海、複雑な顔してるけどどうしたの?」

「実はね、ゴニョゴニョ」

夏音の耳元で、ドラマの事を伝えた。

「えっ!!凄いじゃん!!」

夏音がめっちゃ、予想以上に喜んでいて。

私もめっちゃ嬉しくなる。

心が踊って、今日は良い日になる気がする。

「桜乃 瑠海 居る〜?」

その声に聞き覚えがあって。

嫌な予感がした。

廊下を見てみると、そこには予想通りの人物が立っていて。

すぐに、目を逸らした。

「あのさ、聞こえてる?」

顔をあげると、目の前に立っていた。

「話しあんだけど。」

「あの…、わ、私は、話ない、ので。、」

「へ〜、俺はあるから〜。」

腕をひっぱられていって。

抵抗したけど、全然離してくれなくて。

「あのさ、奏先輩とは2人きりで楽しそうにするだなぁ。」

「派手な奴と居たくないとか言っといて。
何、そんなに俺の事嫌いなわけ?」

「知りません…」

「は?」

「わ、私があなたをどう思っているか、な、なんてどうでも
いいんじゃ…」

そんな事で呼び出さないで…

そんな事なんかじゃないけど…

クラスの子たちに馴染めなくなっちゃう。


次の日の事だった。

私の雑誌が昨日発売された。

それで、今日は女の子たちがその雑誌の事で持ちっきり。

そちらこちらから、

「瑠海ちゃん、可愛い〜!」

「最高〜!」

って声が聞こえてきて。

私の活力になりそう。



その後…

私は、仕事で忙しくなって、

途中で早退することも多くなった。

それとともに、神崎さんが私のクラスにちょいちょい顔を

出すようになった。

「お前さぁ、俺の事避けてない?」

「避けてないです。ただ、用事があっただけです。」

「あ、そう…、悪かったな、引き止めて。」

神崎さんが、何で私に話かけてくるのかが分からない。

そして、今テスト期間が迫ってきていて。

撮影と勉強でヘトヘトです。

「瑠海〜、おかえり〜。」

「ん。ただいま。」

階段の中間くらいまで上がってきた時だった。

いきなり、フラットきて。

「瑠海!大丈夫か?」

「優空、大丈夫。ちょっと、コケただけだから。」

優空が体支えてくれたから良かったけど、

そうじゃなかったらどうなってだろうか。

「コンコン!」

「はい。」

あ、クラクラする。

ヤバい…、倒れちゃう!

「瑠海ちゃん、大丈夫?」

「大、大丈夫です。」

「すごい熱、瑠海ちゃん、熱あるよ。」

「ほんとに、大、丈夫、です…」

「瑠海ちゃん、病人なんだから甘えて。」

奏さんにベッドまで運んでもらって。




その後の記憶が無い…